就業規則を見直すタイミングとは?見直す必要性も解説します!
就業規則を見直していますか。
数年前に作りその後見直していない会社もあるのではないでしょうか。
安定した会社経営をしていくには、時の変化を捉え、その変化に柔軟に対応していく必要が
あるのではないでしょうか。同様に社内のルールである、就業規則もその時、その時に応じて
変化させる必要があるのです。
では、どのようなタイミングで就業規則を見直すべきなのでしょうか。
また、どのような手順で変更すればよいのでしょうか。
● 就業規則を見直すタイミングについて
就業規則を見直すタイミングですが、以下のようなことがおきた際に
見直して見てください。
① 労務に関する法改正があった
令和5年4月より月60時間超の残業割増賃金率の変更が中小企業にも適用されました。
このように、労務に関する法改正はよく起こります。以前作成した就業規則では、
適合しなくなるケースも出てきます。法律に適合しなくなった就業規則は即違法とはなりませんが、
見直すことをお勧めします。特に給与に絡むものについては、大きなトラブルに発展することもあります。
② パート・アルバイトを採用した
今まで、全ての従業員が正社員で採用しており、正社員用の就業規則を作成していた。
今回、事業拡大し、パート・アルバイトを採用した。このようなケースもあると思います。
この場合、パート・アルバイト用の就業規則を別途作成する事をお勧めします。
作成しない場合は、パート・アルバイトで採用された方も、既存の就業規則が適用されます。
場合によっては、賞与や退職金なども与えなくてはならなくなります。
③ 働き方を変更した
コロナの影響で、テレワークを導入した企業も多いのではないでしょうか。
このように『働き方改革』の一環とした、テレワーク、短時間勤務の導入などをした会社では
就業規則の見直しをお勧めします。折角作った制度も、従業員が今まで通りの働き方をするようでは、
全く意味がありません。就業規則を変更し、きちんと会社の考えを従業員に理解させる必要があるのです。
④ 職場環境が悪くなった
問題視されている『ハラスメント』や業績不振などで、職場の雰囲気が悪くなったと感じたとき。
就業規則は、従業員に周知させる義務があります。従業員に会社のルールを再度認識いただく上でも
就業規則の見直しをお勧めします。
● 就業規則の見直しの必要性
① 労使トラブルを予防できる
見直しをする一番の目的は、労使トラブルを未然に防ぐことにあります。
様々な情報を今や容易に入手できます。また、問題社員はどこの会社でも存在します。
そのため、少しの解釈の違いなどで労使トラブルに発展することも増えています。
就業規則を整備することで、労使トラブルを防ぐことや、従業員の懲戒処分などもできるようになります。
② 助成金などの申請ができる
企業の支援策の一つに助成金があります。その申請には、その取組みを記載している
就業規則の提出が必要になります。返済不要の助成金を得るためには、就業規則の整備は
欠かせないのです。
③ 金銭面でのトラブルを回避できる
お金にまつわるトラブルはとてもやっかいです。給与や賞与がどのように決まっているのかなど
就業規則にきちんと記載されていれば、金銭面でのトラブルにはなりません。
特に賞与に関しては注意が必要で、いつまで在籍していたら支払われるのかは、
きちんと明記する必要があります。
④ 欠勤・休暇など勤怠に対して迅速に対応できる
遅刻や早退などがあった場合、会社はその分の給与を支払う必要はありません。
働いていないわけですから、その対価も必要無いのです。また、欠勤や長期休暇などについての対応も
あらかじめ就業規則に定めておくことで、迅速に対応することが可能となります。
● 変更する際の手順について
就業規則は、経営者が独断で作成するのではなく、従業員の意見を聞きながら作成することをお勧めします。
そして、労働基準監督署に届出、従業員に説明する必要があります。
以下のような手順ですすめてください。
① 新しい規則(案)を作成する
まずは、経営者が会社の考え、方向性を踏まえ就業規則(案)を作成します。
② 労働者代表の方の意見を聞く
就業規則は経営者が一方的に決めてもうまく運用できません。どうしてこのように
変更するのか、会社の考え、方向性も説明し、労働者代表の方に意見を求めます。
③ 労働者代表の方の意見をもとに再度、就業規則を作成する
労働者代表の方から出てきた意見から、双方にとって働きやすい制度、
より会社の方向性にあった就業規則になるよう細かいところまで確定して就業規則を完成させます。
④ 労働者代表の方から意見書をもらう
変更した就業規則を届出るためには、労働者代表の方の意見書が必要です。
意見を反映した就業規則の内容を再度説明し、労働者代表の方から
その内容についての意見を記載した、意見書を作成し、記名・押印をいただきます。
⑤ 労働基準監督署に新しい就業規則と意見書を届出る
所轄の労働基準監督署に『就業規則変更届』と共に新しい就業規則、意見書を提出し受理してもらいます。
⑥ 従業員に新しい就業規則を説明し周知させる
従業員に、就業規則の内容を理解いただくために説明会を設けます。
また、いつでも従業員が見ることができるよう保管場所等も決め従業員に案内をします。
● まとめ
会社の継続には、会社のルールである就業規則が本当に重要です。
また、その就業規則もその時代に適応することはもとより
その会社毎に適したものにする必要があります。
労使トラブルが起きず、会社がより成長するために、就業規則の見直しを
定期的に実施して見てはいかがでしょうか。